とらドラ!25話(最終回)


まあ、感想としては…案外あっさりだったかな、と。



二人は、駆け落ちして、結婚できる年齢になるまでお互いの親から逃げ回り、結婚してしまうと考えていた訳ですが、それは、後に大河自身も言っていたように、あまりに現実味がありません。お互いに、明確に何かをなそうという意思のあるものではなく、単に目の前の問題から逃げ回っているにすぎませんでした。

そこで竜児は、ひとまず身を寄せる場所、加えて、母親とその両親との関係の修復にも漠然とした期待を抱きつつ、祖父祖母の家に向かいます。

竜児の母親があれほどまでに苦労していたのは、真の意味で一人だったからです。そのような結果を生んだ事は、当人にも責任はある訳ですが、彼女自身もまた被害者な訳ですよね。16歳という年齢で竜児を妊娠し、その相手がヤクザ(?)で、その人と駆け落ち同然に家を出た結果、そのヤクザが姿をくらました…訳ですから(これはwikiの記述ですが、アニメ上では、妊娠中に夫が居なくなり、周囲の人間に下ろせ言われたけど、(おなかの中の)竜ちゃんを守りたかったから…という表現でしたから、設定が若干違う可能性がありますが)。
竜児が居るせいで母親が苦労するという事実はまぎれもない真実ですが、今回、担任教師が言っていたように、人間、人生の岐路においては必ず何かを選ばなければなりません。そして、その結果犠牲になるものも少なからずあります。多くの犠牲を払ってでも、「竜児を守る」というのが、泰子ママの選択だった訳です。そして、その責任をこれまで全うしてきた。その事実を、竜児は初めて知るところとなります。

そんな竜児のすべきことというのは、自分を犠牲にして母親を楽にしてやることではありません。母親の前で立派な大人になることなのです。母親の前で、「俺を育ててくれて、守ってくれてありがとう」と胸を張って言えるようになることなのです。


それに気づいた竜児をみて、大河もまた、逃げていてはいけない、ちゃんと自分の家族と向き合おうと考えます。幸せになるために、それは必ず必要な事ですから。

ただ、大河は不安だった。やっと見つけた大切な物が、壊れてしまうのではないかと。しかし、竜児の「壊れたりしない。俺達はこれから始めるんだから」という言葉に力を貰い、竜児が待っていてくれて、迎え入れてくれることを信じて、母親の所へ向かう決意を固めます。家族関係にけじめをつけて、竜児と…家族皆と、幸せになるために。



でまあ、一年経って、卒業の日を迎え、大河が帰ってきて…ってな感じで終わりだった訳ですが。
まあ、一年という期間をどうとらえるかですが、もともと親の都合で転校する話があって、それに反発していた流れで駆け落ち未遂になった訳なので、単に親の都合なのか、高校卒業を自立する機会と捉えたか…というところでしょうか。原作では、3年の頭に帰ってくるらしいので。読んでいないのでしりませんが…。


ずっと、竜児をとりまく恋愛事情を扱っていて、終盤に突如家族問題が入ってきて、結局どっちだったのよ、という話ですが、
基本的にこの作品は、恋愛どうこう、家族どうこうというよりも、高校生という、大人でもない、子供ではない微妙な時期特有の悩みを抱えた人間たちが織り成す群像劇のようなものだと考えた方がしっくりくるかも知れませんね。

竜児がベースというよりも、その周囲の人間があれこれ騒動おこしている印象がどうしても強いのです。北村の話もしかし、亜美ちゃんの話もしかり。

亜美ちゃんに関しては、今回ので少し心情が明確になったかな?

「大人ぶっている」自分をはじめてそのまま理解してくれたのが竜児だったんですよね。自分の、表面でなく、内面ですらなく、本質の部分を。
それが好意につながったんでしょうが、先週、きちんと区切りをつける機会がありましたからね。愛し愛されるというだけが、人間関係の到達点ではありませんからね。一人の理解者がいるかいないかで、本当にどれだけ差があるか…。
精神的な意味合いでの「居場所」というのは、認めてもらうこと、理解してもらえることですからね。
何処かの場所に赴いたとき誰か一人に気づいてもらえて、「よう、こっちこいよ!」と言ってもらえるだけでどれだけ幸せか。



みのりんはちょっとなあ…割愛でw大河の事わかってんのかわかってないのかという点で随分キャラクターがぶれてる気がするんだよなあ。夜空の事を当たり前のように理解するのに、あそこでビンタは疑問なんですけど。

大河にとっての竜児、亜美にとっての竜児という点に何の疑問もないのですが、みのりんはちょっと良く分からない点もあります。友人として接するうちに気づいたら好きになっていただけなのかね。
まあ、人を好きになるのに理由なんていらないし、恋愛の価値に上も下もないのですが、他の二人に比べて、どうしても竜児でなくてはならない理由が明確に思い浮かばないのも事実だったりします。
ただ、さんざん言っていた「みえないもの=幽霊」の概念的な意味合いは最後の最後で説明が付きましたね。その説明をしたのが、みのりん本人でないところがアレですが。見たいと思えば見えるものではなくて、見えるべき人ただ一人にに見えるんだそうで。そういうふうにできている、のですって。プゲラw(おい)
例えとしてはセンスを感じなくも無いんですけどね。
まあ、婚活ってのが流行っている昨今において、「見えるべき人には見える!そういうふうにできている!」とか言われてしまうと、なんか身もふたもないというか…。いやでもやっぱりね、縁は異なもの(味なもの)だと思うんですよ私はね。どっかの神父みたいにね(番組違)




結局、キャラクターの好みとしては、前半みのりん→中盤〜後半大河→最後あーみん
という、まあ見事な移り気を発揮した私ですが、結構このパターンに当てはまる人多くないですか?
大河はまあ安定して可愛かった気もしますが、みのりんの終盤の株暴落っぷりが凄かったですからね…。人によるでしょうけど。
あーみんは、あれだけ性格の悪い部分を強調して描いていましたから、終盤のプラスの部分が引き立ちましたね〜…。
私は性格が間違いなく川嶋亜美に近いので、そういう部分で嫌っていた所もあったんですが、だからこそ良い部分も良くわかるっちゃわかります。わかるようにしてくれればw

とまあ、こんなところですが、全体の評価としては…まあ、普通かなと(爆)
毎週観てたし、楽しませてもらいましたけどね。詰めの部分はインパクトに欠けたかなあ。

まあでも、時期が悪いか?なんせ、つい最近、ドラマより遥にドラマじみた筋書きを現実に目の当たりにして、尋常じゃない感動をもらいましたから…。
ええ、WBCの事ですよ、もちろん。

もうちょっとの間は、創作物で感動するのは難しいかも知れませんね(笑)