WBC日本対韓国、三度目の正直


本日行われた、ワールドベースボールクラシック準決勝、日本対韓国は、日本が6対0で勝利し、決勝進出が決まりました。

春分の日に行われる決勝では、最強のアマチュア集団、キューバと対戦ということになりますね。


あれほど感心の低かったWBCでしたが、我が家での感心もうなぎ登り。準決勝も途中からですが家族で観戦。

近年野球に殆ど興味を示さなかった私の母も、夢中になって応援しておりました。

韓国に勝っただけで号外が出るほど盛り上がった訳ですが、この背景には、大きく分けて3つの要因があると考えられます。


①デビットソン審判の空前絶後ミスジャッジの数々

王監督の賜物か、ジーコジャパンを彷彿とさせるミラクルの数々

イチローという人の存在



①この人の存在は、結果的に、アメリカにとって何の益も及ぼさなかった。

結局、アメリカチームは二次予選で破れ、その権威は失墜、野球の国際化を促進するどころか、アメリカが(というより、この大会を企画した人間達が)、野球の国際的普及ではなく、野球大国としてのアメリカの強さを世界にとどろかせたかっただけ、いわば出来レースに近い意図があった事を露呈することになってしまった。

そもそも、一般的国際大会に準えているようでも、明らかに異なる点がある。


それは、「審判がホスト国のマイナーリーグの審判である」事と、「決勝トーナメントが、いわゆるクロストーナメントではない」事。

前者は、ストライクゾーンにしろ、使用球にしろ、国ごとに若干ルールの異なる代物を、アメリカンルールに強引に統一する意図。

言い換えれば、「アメリカのルールが絶対的国際ルールである」という主張に他ならないと。

本来ならば、参加国からそれぞれ公平に審判員を負担し、かつそれを審議にかけてえりすぐるべきです。

このことから、「野球の普及」ではなく、「アメリカ野球の普及」を目論んでいるのが明白です。

後者ですが、クロストーナメントというのは、要するに、この場合で言えば、準決勝は日本対韓国ではなく、日本対ドミニカ  韓国対キューバ になるのが一般的であるということです。

それが、何故、同一組(プール)内の国が今一度戦う、結果として同一大会内で3度も対戦するという珍事が起きるようなシステムになっているかといえば、理由は簡単です。

アメリカとしては「メジャーの絶対性」を示したかったのです。アメリカチーム同様、メジャーリーグの主力選手を多数擁する国がもう一つあるんです。…そう、ドミニカ共和国

つまり、アメリカとしては、決勝戦の組み合わせを「アメリカ対ドミニカ」にしたかった。その為の処置という風に考えればしっくりきますね。

結果は目論みと正反対になりましたが。


こんな大会では、関心が低くて当たり前。それを救ってくれたのが、皮肉にもこのデビットソン審判だったということになりますね(笑)



②準決勝進出の望みを断たれ、メキシコの選手は、前日練習をキャンセルし、ディズニーランドへ遊びに行っていた。

そんなメキシコチームと、負けるわけには行かないアメリカチーム。メキシコが勝つしか準決勝に進む道がなかった日本にとって、これだけ見るとほぼ準決勝進出の望みはなかった。

しかし、結果はご存知の通り。奇跡に近いことが起きてしまった訳です。

王監督の持つ、一般人と異なる、超人的豪運なのか?…ともかく、この奇跡がなければ、今ほど国民の関心を集めることはなかったことでしょう。

そのメキシコの闘争心を煽ったのも、結局あのデビットソン氏のミスジャッジに尽きるわけですから、ここまで来ると笑えてきます。

ともかく、日本としては、サッカーのW杯ではメキシコを応援せねばなりませんね。


③そして、イチロー
メジャーリーガーの相次ぐ自体の中、この男だけは違った。

いち早く参戦を表明し、誰よりも熱い気持ちでこの大会に臨んでいる。

それは、試合での彼の様子を見れば明らかで、あれほどクールな(イメージの)イチローが、一試合事に、いやワンプレー事に、喜怒哀楽を爆発させている。

最初は、メジャーリーグで世界一を目指せない(所属のマリナーズが弱すぎるから)鬱憤を晴らすというか、別の形で世界一を目指す機会を得て奮起しているのかと思っていたが、それだけではないみたい。


国を代表する重み。王貞治という人物の重み。そういった色々な重みが、彼を突き動かしているというのあるのだと、本人のコメントからも推測はつく。


でも、結局の所。国を愛しているイチロー。そして、野球を愛しているイチロー。ただ、それだけの事のような気がする。

複雑な事ではなく、そういった単純で、熱い気持ちを、彼はグラウンドで体現しているに過ぎないのかなと。

そして、そんな彼が余りにかっこよすぎる訳ですよね。

やはり、日本代表にイチローありき、ですね。



ここまで来たら、キューバを撃破して、世界一になって欲しいですね。