ザ・ノンフィクション

今目の前で起こっている出来事を、(ほぼ)ノンフィクションでお届け!!






俺はsutei007。こう見えてメジャーリーガーだ。

偶然訪れたレストランで、暴漢から助けた事がきっかけで知り合ったそこで働くウェイトレスのエミリー。
それ以来、二人でちょくちょくランチを楽しむ仲になっていた。

今日はナイトゲーム。球場に赴く前に、いつものように彼女を誘い、昼食をとる事にした。

「sutei007さーん!!お待たせしましたっ!…今日は何を食べに行くんですか?」

選択肢

フレンチ
高級中華
和食
パスタ   ←チョイス
エスニック
メキシカン
ファミレス
ハンバーガ
ピザ
ステーキハウス


「エミリー、パスタ好きだろ?おいしい店があるんだ、そこに行こうか」

「本当ですか!?楽しみだなあ…」

気づけばそれは、試合前の日課となっていた。

彼女に対して、特別な感情が無かったと言えば嘘になる。
しかしそれは、言葉や形で表現できるような、明確な代物ではなかった。
…気づいていないだけなのかもしれない。彼女の存在の大きさに。
彼女の笑顔に、どれほどの力を貰っていたのかに。


「今日は俺が奢るからさ。好きなもの食べて良いからな?」

「うわー、ありがとうございます!!えーっと、どれがいいかなあ…」

屈託のない笑みを満面に浮かべながら、メニューを隈なく眺める彼女を、俺はどこか上の空で眺めていた。

俺も、立場上、チームメイトに誘われ、合コンのような行事に顔を出した経験は何度もある。

そこで知り合った女性に、食事をおごった経験もあるのだが、皆一様に、建前の笑顔でこういうのだ。「おごってもらうなんて申し訳ない」と。
それが本心でない事は一目瞭然だった。俺は、正直ウンザリしていた。
女性と接する事に。

そんな時に出会ったのが彼女だった。彼女は、喜びも悲しみも、ストレートに表現して、俺に対して伝えてくれるのだ。
俺は、無意識のうちに、そんな彼女の笑顔を求めていたのかも知れない。…癒されていたのかも知れない。

「…sutei007さん?どうしたんですか?ぼーっとしちゃって」

エミリーが、怪訝そうに俺の顔を覗き込んでくる。

「…あ、いやごめん。何でもないんだ。…それより、メニューは決まった?」




「ばかいぬさん、この後試合ですよね?」

運ばれてきたパスタを頬張りながら、エミリーが言う。

「私、応援に行きますからね!頑張ってくださいね!」

「ああ、ありがとうな、いつも」

こうして、ナイトゲームの前に二人で食事を楽しんだ後は、良く彼女が球場まで応援しに来てくれていた。
勿論、チケットは俺が手配して。

「…そうだ!」

エミリーは、食事の手を休め、両手をポンと叩く。

「せっかく応援しに行くんだから、あたしのために活躍して下さいっ!」

「…えっ?」

…『あたしのために』?…どういうことだ?

「…なーんて、冗談です。そんな簡単に、活躍するなんて言えないですよね?」

俺には、エミリーの表情が曇るのが、はっきりとわかった。…彼女は、取り繕うのが苦手な人だ。…凄く純粋な人だ。
軽はずみな事を口にしたと思ったのだろう。
誰だって、活躍したいに決まっている。全打席、打つつもりで、抑えるつもりで試合に臨むのだから。そして、実際に活躍するという事がどれだけ難しいか。

そんな彼女を見て、俺は心の中に、今まで感じたことのない、熱い想いが込み上げてきた。

誰かの為に活躍したい。そんなこと、今までただの一度も考えたことなど無かった。

メジャーリーガーになるというのは、子供の頃からの夢だった。自分の為に、自分の意志で努力して、俺は夢を叶えたのだ。

彼女は、冗談をいう子ではない。彼女は、本気で俺の活躍を願ってくれているのだ。俺の夢を、一緒に見てくれる。そう言ってくれているのだ。


選択肢
○絶対に活躍してみせる!    ←チョイス
○さすがにちょっと…

「絶対に活躍してみせる!だから…見ててくれ!」

「えーっ!?」

自分でもすごい剣幕だったと思う。気づけば俺は、彼女に対してそう豪語してしまっていた。

エミリーも流石に驚いたのか、目を丸くしてこちらを見ている。

「そんなこと言うと、期待して観ちゃいますよっ?」




その日の試合で俺は、3本の本塁打を放ち、チームの逆転勝利に貢献した。





「sutei007さんっ!…はぁっ、はぁっ…」

俺が球場を出ると、エミリーが息を切らしながらこちらへと走ってきた。

「まさか、まさか、あんなに活躍しちゃうなんて!」

エミリーは、興奮冷めやらぬ様子で、今だにこの事実が信じられない、といった表情を浮かべていた。

無理もない。…この俺自身が信じられないのだから。いったいこの俺のどこに、あんな力があったのか。もう一度同じ事をしろと言われても、二度とできないという絶対の自信がある。胸を張って言うことではないのかもしれないが。

「凄過ぎますよsutei007さん…。あたし感動しちゃって、思わず観客席で泣いちゃいましたっ!」

良く見ると、彼女の眼がうっすらと赤く、どこか腫れぼったい。…そうか。俺、凄いことしたんだな…。試合中は実感のわかなかった充実感、達成感が、ふつふつと込み上げてくるのがわかった。


「ほんの冗談のつもりだったのに。…本気にしてくれただけでもうれしかったのに。本当に活躍しちゃうなんて…。いくらメジャーリーガーだからって、ずるいですよ…。ちょっと、かっこよすぎます…」


エミリーの目には、うっすらと涙が浮かんでいる。
…やっとわかった。俺がエミリーにしたことの重み。そして、エミリーが俺にしてくれてきたことの重みが。


「エミリー…。俺、自分でも信じられないんだ。俺の何処にそんな力があるのか…」

「sutei007さん…」

「でも。これだけは言える。…エミリー、君が居てくれたから、俺は頑張れるんだってね」

「そんな…私は何も…。ただ食事を御馳走になっていただけで、寧ろ迷惑をかけていたくらいなのに…」

エミリーの目から、大粒の涙が零れおちる。

「まさか。…照れくさいんだけどさ、俺エミリーと居るのがあまりに楽すぎて…自然体で居すぎたせいでさ、気付かなかったんだ。エミリーの笑顔にどれだけ癒されていたか。エミリーの応援にどれだけ力を貰っていたか。…エミリーが、俺にとってどれだけ大切な存在になっていたか」

「sutei007さん…っ!」

「だからこれからもさ…。ずっと、傍に居てくれないか?」

俺は、恥ずかしさのあまり、エミリーを直視することができなかった。
…我ながら情けない。

エミリーは、暫く黙っていた。やがて、意を決したように、顔を伝う涙を拭うと、俺の方をまっすぐに見つめて…俺の大好きないつもの笑顔に戻って、言った。

「…はい。ずっと、傍に居させてくださいっ!」





ゲームクリアー!!パンパカパーン










「sutei007さん、あたし、明日バイト休みなんです。だからその、えっと…」

「エミリー…。俺も明日はナイトゲームなんだ」

「じゃ、じゃあ…」

「ああ…。でも…いいんだね?」

「良いんです。…その、sutei007さんとなら…」

「エミリー…」





えーっとぉえーっとぉ、それからそれからー!!



「ストーップ!!書かせねーよ!!!!!」


「うわっ!?あんた誰?何か、我が家の杉●さんに似てるけど?」

「●山?誰だよそれ、知らねーよそんな奴!!」

「あっそ…ってかあんた何の用よ?俺続き書くんで忙しいんだよ」

「続きなんてねーだろ!?お前、基本的にノンフィクションだって断って書いてんじゃねーか!!これ、今お前がやってたゲームの中での話だろ!?」

「あっ、ばれた?でもね、結構肉付けしてるよこれ?本当はね、もっと適当に書くつもりだったんだけど。大体、本来主人公しゃべんないし、エミリーもそんな一杯しゃべんないしさ」

「それも、エミリーが恋に落ちた所で終わりだろ!?バイト休みだから云々なんて下りねーだろーが!!」

「何言ってんのあんた。ここからが本番でしょ。むしろ、この後のシーンの為に皆ゲーム買うんだからさ」

「それなんてエ●ゲ?…っていうか、今お前のやっているゲームって、実況パワフルメジャーリーグ2009だろうが!!」

「ギクッ!!」

「それを好き勝手書きやがって…まあ、エミリーが恋に落ちるまでは、ストーリー自体は大きく変わってないから良いよ。ただね、この後を書かせる訳にはいかない。小さい子が見ているかもしれないからな!!」

「いや、見てないでしょ小さい子は…」

「あ、そうか。じゃあ問題ないね♪…ってそうは問屋がおろさねーわこのボケ!!」

「お、ノリ突っ込みですねわかります♪」

「あーもう…。とにかく、完結したんだからこれで止めとけ。わかったな?」

「わかったよ…。でも、最後にワンシーンだけ書かせて。頼むよ」

「何だよ、一体…?」



「エミリー。これが、今日使ったバットだよ。このバットで、君の為にホームラン打ったんだ」

「sutei007さん、嬉しい…!」

「毎日、手入れをするんだ。大切な道具だからね、丁寧に磨くんだ」

「道具を大切にするんですね。素敵…」

「だからさ、エミリー。今夜、下の俺のバットも磨いてくれな…」


「言わせねーよ!!!!!!!???」




実況パワフルメジャーリーグ2009、大好評発売中♪(マテ)

恒例のサクセスに、メジャーリーガーとしての人生を謳歌できるモード「マイライフ」(上記SSの題材)に、シーズンモード、極めつけはWBCモードまで搭載と盛りだくさんの内容です。ぜひ、やってみてくださいね!!


…ちなみに、本当に今、マイライフやっててエミリーが恋に落ちた所まで進めた所です(爆)
ちなみに、彼女候補は他にも居ます。記者(女子アナみたいなもん)、料理教室で出会うお姉さん、医者、NBAのバスケ選手、富豪のお嬢様と。

この中で、エミリーが一番好みだったので(笑)
うん、後はいつプロポーズするかですね。


…っていうか、俺何やってんだろ(爆)鬱だ死のう(結局それかい)



ちなみに、エミリーの声は、名前がエミリーだけに、加藤英美里さんのイメージでよろしく(何)