ZOMBIE-LOAN(ゾンビローン)最終回終了


ということで、テレビ朝日で放送されていたアニメ、ZOMBIE-LOAN(ゾンビローン)が先ほど最終回を迎えました。

このゾンビローンですが、原作がPEACH-PITということで、このブログで散々取り上げている、私にとっては革命的作品であったローゼンメイデンを描いている方なんですよね。

ということで、アニメに関しては第一話からきっちり欠かさず観ていました。

まあ、流石PEACH-PITということで、それなりに面白かったです。作品自体が重いテーマきを孕んでいて、重苦しいというか、見ていて胸が詰まるような感覚がある一方で、時折出てくるギャグパートが笑わせる。この辺りは、ローゼンメイデン同様、PEACH-PITの持ち味の一つじゃあないかなと思います。

タイトルどおり、「ゾンビ」が鍵を握る話で、命や、生きることについて色々と考えさせられる事が多かったですね。

赤月 知佳と、橘思徒の二人は、半年前に事故にあい、その時ゾンビとして生還(実は橘思徒は違うんですが割愛で)。その際に、ソンビローンという死人専門のローン会社と契約し、ソンビとして生還する代りに莫大な借金を背負う。その借金を完済することで、人間に戻ることができる。その返済の為、違法ゾンビを駆る事で得られる報酬を返済に充てているという感じの設定。

で、そんな二人に出会うのが主人公の紀多 みちる。

彼女の設定がまた重くて。気弱で人前で言いたいことが言えず、学校ではパシリ扱い。家庭の事情が複雑で、若くして両親が他界し、莫大な遺産を相続するも、18歳になるまで相続権がないので、叔母の家に引き取られる物の、所詮は遺産と体裁のため。家にも居場所が無い。生きる事が楽しくない。意味を見出せない。

主人公がこういう重い設定なのもローゼンメイデンとかぶりますねえ。

また、彼女は「死神の目」という特殊な能力があって、死期の近い人の首に現れる黒いリング(=人に紛れているゾンビを判別できる)を観る事ができる。その事を、知佳と思徒に知られ、ソンビ狩りの協力を要請されるが、その最中に、鏡で自分の首に黒い輪があるのをみてしまい、引きこもってしまう。

それでも、結局二人にソンビ狩りに借り出された結果、違法ゾンビによって致命傷を負い、その時に自分の奥底の生への欲求を自覚し、生きたいと願った結果、知佳と思徒が新たにゾンビローンと結んだ契約にとって命を救われ、それがきっかけで祖母の家を飛び出し、二人の計らいで寮生活を始める。



ということで、人生に半ば絶望していたみちるが、ゾンビとなり、莫大な借金を背負ってでも、なお生きることを強く望む二人と出会い、行動を共にすることで徐々に変わっていくのが見所の一つ。これもローゼンメイデンに近い。
いじめによりひきこもっていた桜田ジュンが、不本意ながらドール達と出会うことで変わって行ったように。こういう大きなテーマを持たせる作風が、個人的には結構好きなんですけどね。


彼ら3人が、さまざまな違法ゾンビと出会う度、何かと考えられるシーンが多い。
悪意をもってゾンビと変えられてしまった人が、浄化、開放された様子であったり、かつての親友がソンビと化してしまったり。
ところどころの台詞にはっとすることもしばしば。


最後の「尸解の法」を巡るストーリーはほんと重かったですね。思徒の正体が「生ける屍」であること。そんな、永くゾンビとしていき続け、様々な感情が麻痺しつつある彼の前に現れた、最愛の女性に似たソンビとの出会い。

最後、そのゾンビが撃たれるシーンは、所謂死亡フラグが立ちまくってましたから、覚悟はしていましたが流石にみている方としてはショックでした。

ずっと、あかつきあかつきと呼ばれる事に反発し、「友達なんだから、名前で呼べ」と懇願していた知佳。それに対して、「名前など固体を識別するために便宜上つけられた物に過ぎない」と吐き捨てていた思徒。そんな彼が、目の前で大切な命を失った際、「こんなときに、呼べる名前も無いなんて…!!」と言っていたのが物凄く印象に残っています。
一連の展開から見事。



とまあ、中々考えさせられて良かったんですが、全11話は少なすぎだよなあ。DVDに12・13話が収録というお約束の糞プロモーションは仕方ないですが、それでも足りないよなあ。

どうやら、アニメ自体は、大半が原作に忠実なようで、そういう意味で、原作が未完も良いところですから、張るだけ張った伏線が、さっぱり解決してないし。もっとじっくりみたいよなあ。…原作読めってか。

終わり方もねえ。まだ解ってないこと一杯あるじゃん、折角一生懸命観ていたのに…と、物足りなく思ってしまった。

結構個性的なキャラクターが多いし、思徒の背景にある徐福って何よとか、蘇鉄急に出てきてそれだけかとか、宵町 暦は結局何なんだとか。
後、核心取られた死神はどうなるんだとか。これは、原作読めばその後の展開がちゃんとあるみたいですが。

この辺は、やっぱりアニメにおけるオリジナルストーリーの必要性、重要性を考えてしまいますね。
やっぱり、アニメと原作は良い意味で別に楽しめる物であるべきですよ。結局、何が何やらで終わってしまってもしゃーないですよ。
そういう意味では、このゾンビローンをアニメ化するにあたっても、何かまとめる対処をすべきだったんじゃないのかと強く思います。


最後にキャスト考察ですが、何といっても当ブログとしては、斎藤千和さんの出演というのがポイント高かった。
ただ、特徴的なのが男性役だったんですよね。他にもそういう例あるんですが、個人的にはなじみ無いので結構新鮮でした。ただ、やっぱり女性役やってほしいかな(爆)

メインの男性二人も、鈴村健一櫻井孝宏ということで、えらい豪華キャストですよね。二人とも主役級の役がかなり多いし、女性人気も相当高いし。櫻井さんなんかはBL系での実績が凄いから特に。
男性声優に対して詳しくない私でも、この二人の役どころはいくつかポンポンと出てくるしね。


で、みちる役も桑島法子さんでこれまた豪華キャストに拍車をかけているわけですが、ただ、このキャスティングにはかなり違和感があって…。声のイメージが見た目の感じが全然違う。桑島さんが悪いんではなくて。これは、結構あちこちで言われている事で、正直疑問に思ってます。折角上手い人使うのに勿体無いよなあ。